スタジアムから暴力沙汰をなくすには

まとまらないけどもう上げてしまおう。先日の続き。

浦和のレベルを下げるな

「お前の母ちゃんでべそ」って言ってくる相手に「お前の母ちゃんでべそ」って返したら同じレベルなんですよ。
「しね」言う相手に「しね」返したら同じレベルなんですよ。
物投げる相手に投げ返したらやっぱり同じレベルなんですよ。


浦和レッズのレベルを下げるな。


なんとか暴力に応ずるには暴力しかない、と言う発想から脱却したい。
「HATE」に対抗するには「HATE」しかないと言う発想から脱却したい。
何かやられたときに何もしないのもよくないことです。
が、同じことをやり返したら同じレベルの人間なのです。

ここよりヨタ話

だから「ハムラビ法典」はなくなったのです。今世界を見て「目には目を歯には歯を」が法としてそのまま残ってるところはほとんどありません。同じことをやり返す愚かさに人類は気づいているのです。気づいてない人が土曜の埼スタにはいました。
いや、本当に適当な理屈ですけどねw

ヨタ終わり。

でも、われわれが、北自由席やアッパースタンドのレッズサポーターが叫ぶべきは「帰れ」ではなく「投げるのやめろ!」だったと思います。それも双方にです。

いろんな人がいますよ

自分は、サポーターが「暴力のことなど考えない心優しい人ばかりになればいいのに」とは考えません。
水風船投げ事件のようなことがあった時に、

  • 「やりやがったな、倍返しだ!」と言う人も
  • 「やられた以上、やられた分だけやり返させてもらう!」と言う人も
  • 「投げ返すな落ち着け!処罰はクラブ間を通してやってもらうんだ!」と言う人も
  • 「謝罪しろとにかく謝罪しろ」と言う人も
  • 「怖いなあ、俺は帰るよ。他のガンバサポさんもお疲れっした」と言う人も

みんないて、それでも総体として、暴発しそうな人をなだめて止めて、暴力沙汰の起こらない、破綻しない。そんなスタジアムを望みます。

だから悪意に満ちた人もいる

相手が挑発しなければ、ガンバサポが物を投げたりしなければこんな問題は起こらなかった。
としてしまうのは「ホーム側」の対応としては危険です。
残念ながら悪意を持つ人は必ず現れます。10年あればまず一度は投げ込まれます。延べ50万とか100万人とかの他サポがくれば必ず一度は投げ込みは起きます。
その時に「やられたらやり返す」では、

行き着く先は「ヘイゼルの悲劇」

です。


もう一度言うと
暴力に対応するには暴力しかない、と言う発想からはなんとか脱却したい。


投げ込みを行ったガンバサポに厳罰を望むのは当然として、我々も同じレベルに落ちないための方策と言うか心構えをしっかりしておく必要がある。

たかが円陣に怒り過ぎ

円陣は挑発的ではありました。でもあの程度の行為にいちいち腹を立てて大ブーイングをやらかして、浦和が何の得をするのですか。

まぁもうちょっとガンバ側でやってくれたらな、とか、ピッチの3分の1以上向こう側だったらあれほどブーイングは起こらなかっただろうにな。とは思いますが
あの円陣「ワニナレナニワ」って言うらしいですね。ガンバが勝つと毎回やってるとか。
気付いてなかったけどガンバは埼スタで勝ったことがないそうで、かわいいもんじゃないですか。


あの円陣が挑発なら、俺たちがアウェイで歌う「WeAreDiamonds」も十分挑発ですよ。
やられてる方は悔しい、絶対悔しい。


それが認められているのは実際にレッズが勝ったという事にリスペクトがもらえてるからでしょう。
ならこちらも同じくリスペクトを返さないといけない。

なんと言うかプライドが安すぎる。

「この程度の安い挑発に激昂するような安い相手には、この程度の安い挑発で十分である」

こう言うことがあるたびに、どうしてもあるスペースオペラにあった上の台詞を思い出してしまいます*1

2006年の、味スタFC東京戦、ドローに終わって優勝を持ち越した後、味スタでは東京のホーム最終戦セレモニーが行われました。
そこでFC東京の暫定監督が「何がなんでも目の前で優勝されたくなかった」みたいなことを言ったのです。

その時も浦和側から大きなブーイングが起こりました。

出島監禁事件の時のFC東京側からの「GetGoal福田!」コール

懐かしいですね。あの時もそうでした。


どうもしばしば相手の「安い挑発」に対して「安い怒り」で立ち向かってしまうことが多い。
そんなときに使われるのは大体ブーイング。浦和に根付いてきた悪しき「ブーイング文化」です。
下手するとチャントの一つもちゃんと歌えない子供が、相手ボールになったとたんに「ぶ〜ぶ〜」ってやってたりする。


僕が投げ込みより残念だったのは

投げ込みをするのは一部の跳ねっかえりです。それが0になることはないので、まだ分かるんです。
でも試合後に「う○こレッズ」やってくれましたよね。しかも結構な人数が。
いい試合だったじゃないですか。心技体を尽くして、一方的に敗れたわけでもない相手にやりますか?ガンバアウェイ席の「総体」としてやりますか?なら僕は実は投げ込みよりも根はひどいと思う。
まぁすぐに止めてくれたんですけどね。ガンバサポも今日の試合にこれはないんじゃないか?ってすぐに気付いてくれたんだと思います。


そう言う意味でガンバサポも戦った相手に対するリスペクトが「総体として」残念ながら薄かった。それが「ワニナレナニワ」に対する大きなブーイングに繋がってしまったとは思います。

もう一度ヨタ話

あのガンバサポの投げ込みは、今後緩衝地帯を広げさせて浦和の入場収入を減らす罠だったんだよ!
な、なんだっ(略、AAも略)。

やっぱり思うのは

今回の件を「ガンバサポが発端なので、こちらに改善点はない」と思ってたり、何より「やられたことはそのまんまやり返せ」と思ってると、待っているのはエスカレートと破綻です。
で、勝点剥奪とか、あるいは死人とか、最悪の結果が起こります。それは止めたい。


具体的な方策としては、先日書いた「歌声で黙らせる」で行きたい。

6万の歌声に包まれてまだ水風船だろうが、投げ続けられる他サポはいない。
コールのズレがほとんどないレッズの応援を一番スゴい形で味わってるのが埼スタのアウェー席に来た他サポだ。

そして、安いプライドの根っこの部分としてはレッズサポーターに蔓延しつつある悪しき「ブーイング文化」があると思うんだけど、これは項を改めます。

参考

一般的な視点がなくなるとキモくなるの法則 - タケルンバ卿日記
http://d.hatena.ne.jp/takerunba/20080518/p3
一般的な感情よりも内部のルールを優先すると、行き着く先はジャンルの荒廃になるんだがね。
それこそ、こういう出来事の行き着く先は「ヘイゼルの悲劇」だし。
サッカー好きとしては、そっち方面に進むことを憂えるべきなような。

今回の件に関して、ちょっと議題は違うんですけど、今の方向性では破綻するよってことです。

理解して欲しかったこと、理解されないであろうこと - 某法律事務所での記録。
http://d.hatena.ne.jp/ArimaKei/20080518/1211091410
所謂ワニナレナニワ

状況と感想を書いたばかりに、間違った情報を押し付けられたりすることも含めてえらい災難になってます
ただ一つ二つ言っておくと

円陣を組んでいる所に、ホームチームの選手が抗議をしにきた例は、浦和が初めてではないかと

闘莉王が円陣に向かっていったのは「やるな」ってことではなくて「真ん中でなくもう少しアウェイ側でやってくれ」ってことだと思うし、だから闘莉王が行った途端、ガンバの選手もアウェイ側に移動を始めたんだと思う。
その瞬間には別に揉めていなかった。再度揉め出したのは移動してから。だから闘莉王が円陣に向かって言った事はガンバの選手たちも「ま、そりゃそうだよね」って納得のいく内容だったんだと思います。

次回万博でガンバに勝利して、同じように円陣組めばいいことでしょう。

これも「やられたら同じことをやり返せ理論」だからあまり好きではないです。
僕らは「We Are Diamonds」を歌うでしょう。


*1:正確じゃないと思うけど、まぁこんな感じのセリフです