日本 5 - 4 ホンジュラス (BS朝日)

ホンジュラスのサッカーを初めて見たのは2000年、シドニーオリンピックの放送だった。
自分は会社から帰り生放送とビデオを使って夜の8時から朝の4時まで8時間耐久サッカー観戦にチャレンジ、いやまだ若かった。ホンジュラスとナイジェリアの試合は疲れもたまる3戦目であったか。

ハッキリ眠気が覚めた。観戦記として『アリクロ』の掲示板にこう書いたように記憶する。
「高速のパス回しと追い越し。プレスは躱される、日本が掛けるのは自殺行為。」
3-4-3で素晴らしく運動量の多いサッカーを見せてくれたホンジュラスは若いメンバーが多く、それ故の甘さかリードしたナイジェリアに追い付かれ、おそらくは警戒を深めただろうイタリア相手の次戦も取りこぼし決勝トーナメント進出は叶わなかった。

ナイジェリア戦の試合展開はこちら(http://www5.plala.or.jp/aota/reysol/taidan/20000914.htm切腹倶楽部)が参考になるか、ちなみにそこに出てくるレオンと言うのはレッジーナ中村俊輔と同僚だった彼だ。彼は3人全員がパサー・ポスト・フィニッシャーを入れ替わりこなす変則3トップの一角で、前線でチャンスに絡んだかと思えば、そこから食らったカウンターのシュートを味方ゴールラインでクリアするなど獅子奮迅の働きだった。

今回来日したホンジュラスはその時の五輪代表と比べて若干小粒で、パス回しもムービングも豪州で見せたスピードはなかったが、それでもプレス力のあからさまにダウンした日本代表を苦しめるだけの力はあった。


前半決定機数(日:ホ)
15分まで0.0:2.0 ベラスケス(09)
30分まで1.0:1.0 ベラスケス(27)
45分まで3.0:1.0 高原(32)、マルティネス(46+)

前半は日本の動きが緩慢でプレスの連動性も位置も低く戻りもゆったりで、またアップで映る選手からは会話による修正が頻繁に行われている印象も受けなかった。攻撃では高原にボールが納まらず、稲本も簡単に戻し過ぎていた。
2点取られてから押し始め、ラッキーを粘り強くモノにした高原によって一点差にするが、終了間際に中田英のミスから失点。ボールを受けようとした中田浩二も前に動き過ぎたように思う。
40分に高原が中村からのクロスをノートラップでシュートに言ったが、強豪国では1トラップ目でDFの背中側に抜け出しているだろうなと思った、この辺の余裕の無さは課題か。

実況は「(ここまで日本に)敵将が認めるクリエイティブさは発揮されておりません」とかいい事を言った。
が、アレックスはレッズで控えに回されてコンディションが悪いのではなく、コンディションが悪いから控えに回っているのだ。そのコンディションを悪く(疲労を溜めた)のは日本代表戦だ。
そもそもアレックスを4バックのSBで起用しても彼の才能をスポイルするだけだ。アレの持ち味は3バックの左ウィング、4バックなら中盤の左ウィングでこそ発揮される。チームでもやってない事をできるわけもない。


後半決定機数(日:ホ)
60分まで2.0:1.0 柳沢(49)、ベラスケス(51)、中村(55PK)、
75分まで1.0:0.5 柳沢(70)
90分まで1.0:1.0 小笠原(76)

後半はまずは両チームとも少ないチャンスをゴールに結び付けた。
ホンジュラスの足が止まり、柳沢の見事なミドルと、ようやく彼の長所を見せたアレックスのセンタリングを小笠原が冷静に蹴り込んで逆転に成功した後は両者チャンスを作れず、ホンジュラスが無理目なシュートを何度か打つが実る事はなかった。
日本は勝ちはしたものの、相手のミスに絡んだ得点が多かったので、基本的にはダメダメだったと思う。
倒れずにキープした中村のシーンは良かった。


逆転後に中田英寿がボールを持ってゆっくり上がるところを後ろから奪われた。中田さんはそれに驚くでもなく追うでもなく、実況は「前の笛が歓声で聞こえなくて云々」と言っていたが、再開のFKの位置を見ると何のファウルだか良く分からない。笛があったとしてもだったとしても、中田さんは前半終了間際に自分のミスで失点してるのだから誤解を受けやすいプレイはさけた方が良かったと思う。