ガンバ大阪x浦和レッズ (2006J1#01、BS-hi)

ガンバはゼロックスの布陣から右サイドを加地に入れ替えた。
藤ヶ谷、シジクレイ・山口・加地・家長・明神・橋本・遠藤・二川・フェルナンジーニョ・マグノ=アウベス。
浦和は変わらず。代表の疲労がある筈のアレックスをスタメン起用。
都築・闘莉王・堀之内・坪井・山田さん・アレックス・啓太・長谷部・伸二・ポンテ・ワシントン。


前半

決定機(ガ:浦)
15分まで
 .8 ゴール'02ワシントン。
1 マグノ反転堀之内ブロックこぼれて都築押さえる。
 .0
小野黄紙
30分まで
 .0
0 橋本、啓太をかわしてロング
2 スルーパスフェルナンジーニョ角度のないとこから浮かす
3 マグノこぼれ球に飛び込んでロング
ポンテ黄紙(危険)
 .1 長めのFK山田さん頭。
 .0
 .1
45分まで
0
1 遠藤オーバーヘッド
シジクレイ黄紙、正直カードは微妙。遠藤がちょうど審判を目隠しの位置に走ってた。
 .1 伸二のFKは壁
 .0 残念そこはシジクレイだ。

前半決定機数0.7:1.1、ゴール0:1
明神は最初から中盤にいる。明らかな失敗に見えたCB起用は止め、中盤ダイヤモンドの4-4-2にして来た。
早々の2分、山田さんが技ありフェイントで縦に抜け、シジクレイの上をきれいに越えるクロス。両チーム通じて最初のチャンス、シトンがヘッドで先制。
浦和は高い位置のプレスが機能。主導権を物にする。フェルナンジーニョを坪井が殺す。
やはりシトン向けのクロスが利いている。
しかし小野が無理に飛び込んで藤ヶ谷と交錯、イエローをもらう。その隙に西野「FWの二人が場所を入れ替えながら動け」と指示を飛ばした模様。そこからガンバに主導権。立て続けにチャンスをつかむと、ポンテもラフなタックルでイエロー。何かおかしい、2枚とも必要ないのに2枚とも赤紙でもおかしくないファールをしてしまっている。さらに相手のファールに怒りのジェスチャー。ノーヒートアッププリーズ。
家長はバックパスが多すぎる気がする。SBとは言え若いのに縮こまるな。ギドならハーフタイムに雷を落としてると思う。
浦和は中盤のパスワークで崩しサイドを絡めてチャンスを造る、奪い合いに勝っての速攻も肝だ。ガンバはDFラインからのフィードとマグノ・フェルが下がってのポストワークが基本か。
シトンはまじめにディフェンスする。まじめだ。


ハーフタイムコメント
西野「全体的には悪くない、コントロールはしている。ボックスの中が人も迫力も足りないので(そこを変える)」
ギド「リードして満足、間延びしてそこを使われた。カウンターのチャンスを生かしたい」
ゴール裏には「93.5.16万博から190勝190敗。今日から勝ち越しだ!ずっと」の弾幕。サポーターからチームへの気遣い。浦和のサポーターは単なる客ではない。共に戦う仲間なのだと。


後半

60分まで
1 遠藤?FK
 .1 CKからシトン
 .8 闘莉王1対1GKに当ててしまう
7 マグノ、都築片手
5 フェルナンジーニョ
 .0 長谷部クロスは合わず
75分まで
 .5 GK飛び出す
 .2 小野ブロックw
7 ゴール'67加地 
 .0 堀之内
0
啓太痛んで一旦ピッチ外
1 マグノロング
'73ワシントン→永井。シトン不満そう。
90分まで
 .1 落として伸二ミドル
5 マグノややマークゆるかった
 .9 啓太のミドル跳ね返って至近距離、長谷部浮かしてしまう
8 マグノバー、フェル浮かす
'81フェルナンジーニョ→播戸。
'87二川→寺田
3 マグノ
'89ポンテ→内舘
 .3 伸二ヘッド

後半決定機数3.7:2.9、ゴール1:0。
全体決定機数4.4:4.0、ゴール1:1。ドロー。

ちなみにゼロックスでは
前半決定機合計1.8:2.4、ゴール1:2。
後半決定機合計4.9:1.1。ゴール0:1。
全体決定機合計6.7:3.5。ゴール1:3。
http://d.hatena.ne.jp/ken_wood/20060225#a )


ガンバは前半に続いてロングフィードでマグノ・フェルが走る。FWが戻って縦パスをポスト、即戻して縦に送ると別の選手が即前へと走っていると言うパターンを作ろうとしている。去年は余り意識してなかったが、これが大黒アラウージョを欠いた今年のガンバのメインパターンと言う事だろうか。浦和もそのような動きがないわけではないのだが「即」の部分が欠けている。
明神、技術的に今ひとつ。つないで欲しいところでバックパスを選択。
ポンテ、ファールの判定に目を指差す。既に一枚貰ってるのに危ねーよ。
浦和は後半10分頃には若干プレス落ちた印象でガンバのパスを楽には奪えず、当たっても勝ち切れなかったり中盤のパスにも乱れが生じる。
そして後半22分、それはシジクレイも組み立てに参加しての25秒ほどガンバのパス回しが続いた末のゴールだった。家長がドリブルに詰まって戻すと右サイドから加地がスルスルと上がって行く。その時ラストパスを出した選手にマークが付いてなく、闘莉王は手で指示してラインを上げていたのだがアレックスが3m程残った形になってしまっていた。加地が胸トラップでアレをかわして左足でボレー、闘莉王のフォローも間に合わず。ガンバが同点に追いついた。
ここで腰を痛めている永井をワシントンに代えて投入。ゼロックス杯の時もそうだったが去年は右サイドとしての出番が多かった永井がここに来てFW起用。
坪井異議っぽい行為。珍しい。ドローの予感が漂う。攻撃陣に決定力を追加したい、相馬を入れるべきだったと思う。その決定力がギドの中では永井のドリブルだったと思うのだが、永井のドリブルは切れ味や方向転換ではなく、スピードに乗った上でスロラーム的に抜いていくタイプ、残念ながらそれが発揮されやすいシーンは少なかった。


決定機率だけ見てみると数字は良くなっている。
ゼロックスでは着々と加点したレッズがペースダウンしながら凌いだ感があったが、この試合はお互いに殴りあったと言う事だろうか。
後半の敗因はプレスが機能しなくなったこと。走ってはいても最初のマークがゆるいのでガンバのパスを制限できていなかったり、戻り自体が見られなかったり。
そしてガンバはゼロックスと比べてボールを持ったレッズの選手に当たりに来なくなった、付いて行くだけ。当たりに行かないがゆえに「倒れない」。倒れないから浦和の数的優位が発生しないし、フリーでパスも出せない。奪うのではなくひたすらパス精度を落とすために付いて行く。スピードのあるドリブラーがいない(アレックスは疲れている)ため置いて行かれる心配はない。ゼロックス杯から一週間、的確なガンバの修正点であった。



どうも俺たちのレッズはなかなか「なんでもできるチーム」になってくれないようだ。ちょうど一年前にはパスを受けるのが得意な選手ばかりが多くて、パスを出す選手がいなかった。前線は速い選手が多くて、高い選手はいなかった。今日は逆だった。
「なんでもできる」すなわちバリエーションの多さこそが、敵の打つ手を分散させ地力を発揮させる。「なんでもできる」ことこそが王者のサッカーだ。
だがまだ先は長い。焦らずみんなで行きたい。