ガンバ大阪x浦和レッズ (ゼロックス杯2006、中京テレビ)

今シーズン最初の試合なのに、関東にもいれない自分な訳だが。
 番組の冒頭で「浦和は戦力の離脱があってタイトルを逃した」と山瀬・エメ・達也が画面に映る。あれ、アルパイは?


 フォーメーションはガンバ3-5-2、代表疲れの宮本・加地をベンチに置き、明神が3バックの一角に。トップはアラウージョの代わりにマグノ・アウベスが、フェルナンジーニョをトップにずらし、トップ下には二川が入った。加地のいない右サイドには寺田、あまり聞かない選手だ。
浦和は3-6-1、前年と比べマリッチの代わりにワシントンが、山田さんの代わりに小野伸二が入り、永井のいた右サイドに山田さんがずれた他は大差ない。
ポンテがFW登録だったがいつもと変わらず、ガンバも若干下がっておりMFの印象で、フォーメーションはほぼ同型と言っても良いかもしれない。

決定機数(ガ:レ)
15分まで
 .7
-
0 ゴール'02OG坪井
-
-
 -
 .1
 .7 ゴール'09堀之内
3 FK3連発
30分まで
 .8
 .7 ゴール'17シトン
2
 .1
 .3
4
45分まで
4
3
-
1
 -
-
前半決定機合計1.8:2.4、ゴール1:2。


やはり明神をCBに据える奇策が敗着であった様に思う。
今ひとつ対人ストップができていた様には見えなかったし、同点の堀之内のマークをしていたのが明神である。それで控えには宮本・入江・丹羽の3人のCBを並べているが、西野監督どういうシチュエーションで使うつもりだったのか良く分からない。寺田は攻撃の組み立てに絡んだりして良い動きを見せていたので、右を彼で行った理由は分かるが、CBは素直に入江先発で良かったのではないか。テストにしても小タイトルのかかった試合で行うべきとも思えない。手島は怪我とか聞いた気がするが、前日山田さんと握手を交わしていたhttp://www.jsgoal.jp/photo/00012700/00012706.html實好はどうしたのだろうか。


やっちゃったオウンゴールで先制されるもFKから堀之内のヘッドで同点後ろから付かれながら状態を反らしたヘディング、タイムリーにちょいイナバウアー入ってたか?
伸二の強いスルーパスシジクレイのトラップをにブレを産んだ、拾ったワシントンが藤ヶ谷の手前で丁寧に枠に転がして早めに逆点。


浦和は質の高いチャンスを作りそれを決め、ガンバは質より量と言った展開になった。
ガンバは走りがやや単発なのと走った選手にうまい形でボールが行かない。あらためて連携の未成熟が浮き彫りとなった感がある。
審判に苛立ちを見せるワシントンを壁に並びながら抑える伸二に早くもキャプテンシーを見た。この男W杯後にはいなくなってるかも知れない身の上だが、お客さんでいる気は全く無いようだ。


後半
60分まで
 .2
1
 .6 ゴール'52ポンテ
1
75分まで
 .1
ここで二川→播戸、寺田→加地。
8
1
6
4
90分まで
1
5
2
-
-
8
3
1
1
 .2
7
後半決定機合計4.9:1.1。ゴール0:1
試合決定機合計6.7:3.5。ゴール1:3 浦和レッズ勝利。



こうして見ると数字的には後半、特にガンバの選手交代後は圧殺されてる筈なのだが実際は後半の失点は無く、それ程致命的にやられた印象も無い。
3点目のシーンではガンバの最終ラインと中盤の間に大きな間ができ、4対4の状況にもかかわらず、全く追うことができる状況になかった。ガンバの隙は相変わらずか。
 地上ポストの上手い播戸とマグノ・アウベス、下がったフェルナンジーニョが機能して完全なガンバペースとなる。遠藤が動き回ってパスを受け、浦和が当たる前に展開を続けてチャンスを作る。
しかし播戸のヘッドは若干高さが足りず枠を外し、至近距離のシュートは今シーズン最初の都築神発動、完全に崩してのミドルは遠藤が浮かし、ノーマークのマグノもギリギリ逸れてゴールに至らず。決定力か調子の問題か、自力の高さは見せたものの浦和が押された状況を粘り強く凌ぎ切ってプレタイトルを手にした。


 今年もレッズの強みはしっかりしたプレスと1対1の当たりの強さである。レッズの選手と他チームの選手が競り合うと大抵相手側が競り負けて倒れたり、倒れはしないまでも体勢を崩して置き去りにされるケースが多い。反面レッズはトップ下という本来つぶされることを心配しなければいけない位置のポンテが二人を引きずりながらドリブルしてパスを出すのを始め、ピッチに立つ全員が当たってキープができ、ドリブル突破をしなくても相手が奪いに来た後には数的優位が発生している。また、当たってキープする局面、避けてキープする局面、体勢が無理なときは味方に渡す状況の判断が正確であった。またフォローのコンビネーションもできている。
 ただこの強み、Jリーグでは申し分ないが、アジアに出て西アジアのガタイのいいのとぶつかったときにも機能するのであろうか。また、うまく行けば開催国枠で世界クラブ選手権*1に出ることになるが、そこで通用するものであろうか?
 1対1に勝つだけでなく、1対0を作り出すチームとしての戦術がなければ底でジリ貧になる危険を孕みながらレッズは進むことになる。

*1:クラブW杯とか呼びたくない