はてブの勧め:敗者にも幸あれと心から祈れる者こそが、真の勝利に値する。

WEEKLY 新世紀サッカー倶楽部・第18回「ボールは丸い。だから、敗者にこそ幸あれ」http://www.skyperfectv.co.jp/sports/soccer/column/koichi_yamazaki/koichi_yamazaki_000018.html

 NHK教育テレビの『未来への教室』というドキュメンタリー番組に、ホルヘ・カンポスが出演していた。元メキシコ代表GKとしてワールドカップでも大活躍した彼が、メキシコの少年少女たちにサッカーの特別指導をする、という企画だった。

アカプルコの海岸で、総仕上げの練習試合を終えた後、カンポス先生は子供たちに言う――


「さあ、これで僕のサッカー教室はおしまいだ。最後にもうひとつだけ憶えておいてほしいことがある。勝ったチームは、負けたチームにも幸あれ、と祈ること。プロでもアマチュアでも、これはキミたちがサッカーを続けていく限り、絶対に忘れちゃいけない約束だよ」


敗者にも幸あれと心から祈れる者こそが、真の勝利に値する。

 おそらくカンポス自身も、そう教え込まれてきたのだろう。もうそれだけで、メキシコのサッカー文化の豊かさ、奥深さがわかろうというものだ。そして、たとえワールドカップで万年ベスト16どまりであっても、メキシコは「誇り高き勝者/誇り高き敗者」どちらの名にも値するのだ。

 敗者が勝者をリスペクトするのは、さほど難しくないことかもしれない。でも、その逆はけっこう年季がいる。勝ったり負けたりの幾多の経験を積み上げてこそ、そのような文化が根付いていくのだと思う。スター選手が子供たちに「最後に(≒最も)大切なこと」として、それを伝えるような素晴らしいサッカー文化が。それは裏返せば、サッカーに限らずあらゆる勝負事、さらには人生や世界そのものの残酷さを、なんとか受け入れるためのレッスンでもある。

この山崎浩一氏のコラムは前回のW杯の時に別の方向性で評判になってしまったものだけど、前半だけでも大変素晴らしいので多くの人に読んで欲しいし、特にサッカーでソーシャルブックマークをしている人は自分のリストに入れて欲しいなと思う。
 いまだにはてなブックマークでは自分一人しか登録していないのは、時間が経ちすぎて忘れているせいだと思いたい。